家計簿を作成するかどうかは個人の自由ですが、事業を始めると個人事業か会社かにかかわらず経理を始めることはほぼ必須となります。
この経理という作業は、それなりに手間がかかるうえに、簿記や減価償却などの専門知識も必要になるので、誰でも簡単にできますというわけにはいきません。それでは経理は何のために行うのでしょうか?
おそらく最大の理由は税金の申告が義務だからでしょう。もしも日本に税金がなかったら経理や決算なんてやらないという人はけっこう多いのではないでしょうか。
そして税金の申告には、税務調査という国家のチェックが入ります。もし間違って税金を少なく申告していたら、悪意がなくてもペナルティを科せられ、悪意がある人に関しては、最悪の場合、逮捕もあり得ます。
その一方で、経営分析、銀行対策、情報開示などの理由で経理をまじめにやる!という方もいらっしゃるかもしれません。これはこれでとてもすばらしいことで、個人的な意見ですが、金融機関以外から出資や融資を受けている会社などは、正しい経理処理をして正しい決算書を開示するべきだと考えています。
とは言え、現実は理想通りにはいきませんし、世の中には色々な経営者の方がいらっしゃいますから、会計事務所の理想論を押しつけるわけにもいきません。そこで当事務所では、お客様のご要望に合わせまして、問題のない範囲で経理処理の方針を決定しています。
ちなみに、原則通りきちんと処理する方が実は手間がかかります。また別の機会に書こうと思いますが、手間をかけて決算書を作れば、有効な経営分析ができるのか?、銀行がお金を貸してくれるのか?
いえいえ、残念ながらそんな簡単なものではありません。しかし、ひとつ言えるのは、ゆがんだ決算書から会社の実態をつかむことは困難でしょうし、銀行の融資担当者は、適当に作られた決算書なんてすぐに見抜くでしょう。