2017年末の個人金融資産が1,880兆円になった、と日本銀行が発表しました。
今から20年ほど前の個人金融資産は1,500兆円と言われていましたから、2割以上増加した計算になります。

この1,880兆円という数字ですが、このまま見ると額が大きすぎてピンとこない方が多いのではないでしょうか?
そういうときには1人あたりに直して考えると、少し身近な数字として感じることができる場合があります。
日本の人口を1億2,000万人とすると、1人あたり約1,500万円になります。4人家族なら6,000万円。

この4人には赤ちゃんからご老人まですべて含まれます。こう考えるとほとんどの人は「そんなに無いよ」と思うでしょう。
現実的な数字はいくらでしょうか?1人500万円として、4人家族で2,000万円?
これでもまだ多いですね。これつまり、それだけ富が偏っているということでもあります。

別の角度で見てみましょう。1,880兆円を1,880万円に変換してみます。国家を一個人として考えてみるのです。
日本のGDPは540兆円ですから540万円になります。GDPは個人でいえば年収です。国家予算は2000年以降80~100兆円の範囲で推移していますので、年間80~100万円が税金や社会保険料などの負担と考えて良いでしょう。

こちらの方は、かなり現実的な数字ではないかと思います。では、このような変換が何の役に立つのでしょうか?
1兆円が1万円に変換されますので、1億円は1円になります。このように考えると、例えば、「自衛隊が100億円の戦闘機を10台購入した」なんていうニュースも、「100円の防犯カメラを10台買って年1,000円の支出か。まぁ、自宅のセキュリティに役立つと思えば目くじら立てるほどじゃないな」となるのかもしれません。