旧姓併記制度

2019年11月5日から住民票や印鑑証明書等に旧姓(旧氏きゅううじ)が記載できるようになります。

たしかに近年では、会社などで旧姓を使い続ける方も増加しており、公的な書類上で旧姓を証明できるようになることで利便性が増すことになるでしょう。

当事務所のような会計事務所でも、各種書類の作成上「氏名」を記載することは非常に多いのですが、関与先様の資料上では「旧姓」で記載されていても、マイナンバーカードなどの公的書類は旧姓の表記がないため、同一人物かどうか混乱することも多々ありました。
99%同じ人だろうなぁ…と思っていても、万が一、別人だったら…と不安がよぎってしまうのです。

また、エクセルなどでデータ集計する際にも、旧姓と 現姓 が混在していると、場合によっては致命的な間違いの元になる可能性もあります。

もっとも、旧姓使用は個人の考え方やアイデンティティーの関係もあり、非常にデリケートなケースもあることから、会計事務所としても強く現姓の使用をお願いするわけにもいかず、地味ながら中々難しい問題だったわけです。

必要書類と手続きの流れ

さて、兎にも角にも公的に旧姓使用が認められるようになりますが、住民票に旧姓を併記するためには次の書類等を準備して併記請求の手続きが必要になります。なお、住民票に旧姓併記を請求すると、自動的にマイナンバーカードや公的個人認証サービスの電子証明書も旧姓併記になるそうです。

旧姓併記の請求手続きに必要なもの

  • 戸籍( 謄本 抄本 どちらでも可)
    ※本籍地の市役所などへ直接または郵送で請求します。
    ※マイナンバーカード所有者は本籍地がコンビニ発行対応ならコンビニ発行可です。
  • マイナンバーカードまたは通知カード
    ※通知カードの場合は本人確認書類(運転免許証、保険等等)も必要です。
  • 印鑑

    【通知カード見本】

 

なお、旧姓が複数ある人は、そのうち1つしか併記することはできませんが、初回の登録時にはどの旧姓でも選ぶことができます。ちなみに旧姓の変更は一定の制限があり、自由に変更することはできません。また、併記した旧姓を削除することはできますが、再度併記する場合には一定の制限がかかります。

ちなみに、旧姓併記の請求をすると住民票などの氏名は、すべて旧姓が併記されることになり、現姓のみ表示して住民票を発行することはできないそうです(東京都福生市ホームページより)。

 

旧姓併記制度は、これまでにない新しい試みですので、どの程度の利用者がいるか未知数です。しかし、当事務所でも積極的に旧姓併記を活用して、少しでも業務の精度を上げたいところです。